慢性の影響
■呼吸器系
喫煙により、慢性気管支炎、肺気腫などの慢性閉塞性肺疾患の危険が増えて、肺機能検査により閉塞性障害の頻度が高いことが言われています。
喫煙は自然気胸の危険因子の一つであり、また石綿(アスベスト)曝露による肺病変の発生を促進します。
最近、喫煙の呼吸器に対する影響のメカニズムに関する免疫学的、分子生物学的研究などの基礎研究が進歩し、慢性閉塞性肺疾患の機序が解明されてきました。
■循環器系
喫煙により、虚血性心疾患(心筋梗塞、狭心症)、大動脈瘤、末梢血管閉塞症(閉塞性動脈硬化症、バージャー病)、脳血栓、クモ膜下出血など、全身の動脈硬化により閉塞や決壊が起こります。
虚血性心疾患は喫煙だけでなく、高血圧症や高脂血症が加わると危険は相乗的に高まります。
女性では、喫煙と経口避妊薬(ピル)の相乗作用で、虚血性心疾患やクモ膜下出血の危険性が著しく高まります。
低タールたばこは本数が増えると、一酸化炭素により、虚血性心疾患の危険を高めます。
■がん
喫煙は単独で、がんの原因の約30%を占めます。
呼吸器系(肺がん、喉頭がん、口腔・咽頭がん)、
消化器系(食道がん、胃がん、肝臓がん、膵臓がん)、
泌尿器系(腎盂がん、尿管がん、膀胱がん)、
子宮頸部のがんなど、
喫煙により全身の多くのがんにかかる危険性が高まります。
肺がん、食道がん、肝臓がん、膵臓がんなどは極めて治りにくい難治性のがんですが、最近、罹患・死亡とも増加しています。
1人の人がこれらの喫煙と関連したがんの複数にかかる「多重がん」も増えています。
■その他
喫煙により、胃・十二指腸潰瘍、口腔粘膜の角化およぴ色素沈着、慢性萎縮性胃炎、肝硬変、クローン病などの危険が増大します。
また、歯槽膿漏や歯周囲炎など歯周病になりやすくなります。
この他、脳萎縮、白内障、難聴、味覚・嗅覚の低下、骨粗鬆症、体液性免疫の低下、老化の促進などもみられます。
さらに、喫煙者では体重減少によるだけでなく、年齢よりも顔のしわが増えたり頬がこけて「Smoker'sFace(スモーカーズフェイス)」という特有の顔つきになることが知られています。